自治会の会長になってしまった 第1回

  私が住んでいる住宅地に280世帯ほどで構成された自治会があります。ブログなどを読むネット民は自治会や町内会には興味ない人が多いでしょう。しかし、自治会は生活のために必要と私は思っています。公園、防犯灯、ゴミ収集所、など、本来は行政の仕事であり、行政がお金を出すのですが、それらを監視するのは住民の仕事だと思います。防犯、防災も同様です。「行政の下働き」と文句を言う人がいますが、行政の手が回らない以上、下働きで結構です。

  この自治会ではブロックごとに班長がいて1年ごとに交代します。その班長が集まって役員会を作り役割を決めます。つまり、役員の任期は1年です。一年で全員交代してしまうので、全員新人素人です。地域ボスもいません。役員が全員新人であることの弊害はありますが、地域ボスに威張られるよりもずっといいことだと思っています。この班長が集まって役割を決めるところがだいたい紛糾します。誰も会長をやりたくないからです。

 私の父も20年ほど前に会長をやりました。その父もおととし亡くなり、私も70歳になったので、このあたりが潮時だろうと会長を引き受けました。他の役割はとんとんと決まりました。

 この自治会の最大の問題は集会所です。50年前に建てられた木造建築で30人くらい入る会議室が一部屋と洗い場とトイレがある単純な構造です。土地は市から無償で借りています。この住宅地が出来たばかりの頃、住民がお金を出し合って建てたと聞いています。この建物が老朽化したので自治会員から費用を徴収してでも建て替えるべきとの強硬派と集会所なんか要らないとする別の強硬派がいて対立しています。ここまでは私も知っていて、そのうえで会長を引き受けました。

 ところが、これだけでも大変なのに、誰も気がついていなかった新たな問題が出てきました。この集会所が不動産登記されておらず、固定資産税も支払われていませんでした。50年以上 違法状態が続いていたとは、素人集団の弊害がモロに出ました

 あさって総会があって会長が交代して、私の番になります。さあどうしましょう。(つづく)