第30回 千両と万両 そして十両

 我が家の狭い庭にツワブキの黄色い花が咲いています。これが終わると来春のスイセンまで花はありません。それをつなぐのは千両と万両の赤い実です。これらは私が植えたものではなく鳥が運んできたものです。こんなものを抜かずに育てるものだからわが庭はジャングル化するのです。上が千両、下が万両です。

 鳥が運んで来るだけあって、この赤い実を鳥が食べに来ます。特に千両はお正月の飾りにしようと思っているとその頃には無くなっていることもあります。万両はそれほど食べられません。だいたい春まで残っています。それなのになぜ万両の種が鳥の落とし物に入っているのか不思議です。多分発芽率が良くて効率が良いのではないかと思います。この写真は春に雑草に混じって生えてきた万両です。

 千両と万両は栽培しようとすると、とてもクセが強い植物です。千両は2年目の枝に花芽をつけます。従って、こまめに剪定してしまうと全く実がならなくなります。一方           万両はとても移植に弱い植物です。勝手に生えてくるので、こちらの都合で移植しようとするとほとんど枯れます。鉢植えが売られているので、たぶん移植の方法はあるはずですが、私は知りません。と言うわけで、千両は剪定がダメ、万両は移植がダメで、自由気ままが好きな植物です。

 千両、万両と並んで十両と言う名前の植物があります、正式名はヤブコウジです。森林の下草に混じって生える植物で、日本の広い地域で見られます。せっかく千両と万両が生えているので十両も欲しいと思い、種を失敬して育てました。ちなみに山野草を引っこ抜くような野蛮なことは私はやりません。

 発芽が悪くて苦労しましたが、何とか育ちました。株分けして形を良くしようと思っています。株分けの時期は早春が良いそうですので、もう少し待ちます。

 最近はやっぱり園芸種よりも山野草の方が面白いと思っています。