番外 人口の減少と再生エネルギー/マイクロパワープラントのアイデア

 高い所から山の方を見ると高圧線の鉄塔がたくさん立っています。これらを維持する労力とコストは膨大でしょう。その高圧線の点検作業に遭遇しました。道端に並んだ作業車のナンバーを見ると各地から集まっていました。

 このような送電ネットワークが各地に張り巡らされていて、そのおかげで日本のどの場所でも電力の供給を受けることができるわけです。

 ところが人口が減少して、少し都市部を離れると限界集落あるいはその一歩手前の集落ばかりになった場合、このような送電ネットワークは経済的に維持可能でしょうか?

  昔の日本の人口を推測した資料を見てみると、日本人口が1億人を越えたのはそれほど昔のことではなく、100年前には日本の人口は5000万人程度であり、江戸時代にはだいたい3000万人程度だったことがわかります。少しわき道にそれますが、江戸時代に起きた大飢饉は、天候不順による凶作が原因のように教科書には書いてありますが、むしろ100年間に3倍近い人口の急激な増加が主因だと思います。

立法と調査「歴史的に見た日本の人口と家族」より

 それでは将来の日本の人口はどうなるかと言うと100年後には5000万人程度になると予想されています。これは政府の予測なので、やや楽観的にバイアスがかかっていると思うので、もっと急激に減少すると思っていいでしょう。つまり、100年後そしてその後には日本の人口は江戸時代と同じくらいになることになります。これで人口減少が底を打つのか、さらに減少が続くのか予想はつきません。

内閣府資料

 

 人口が今の半分くらいで高齢者の割合が高い社会がどのようになるか、よくシミュレーション=想像をしておく必要があります。その話は別途にして、ここではいきなり話が飛んで、下の写真はスターウォーズに出てくる惑星タトゥイーンの民家です。家のそばにあるのが、電力と水を供給する装置ではないかと私は想像しています。このように将来 都市部から離れた民家及び農場、ゴルフ場などの施設は各自で発電施設を持つ時代が来るのではないかと思っています。


  考えるべき点を挙げてみます。

 再生エネルギーと言われている発電方式は元々大規模発電に向いていない。

 山全体を発電パネルで埋め尽くしたり、巨大風車を立てまくるのは弊害が大きすぎます。

  再生エネルギーは太陽光だけではない。水や風も総合的に活用すべき。

 日本でもマイクロパワープラントを事業化しようとするベンチャーが既にあります。しかし、彼らのホームページを見ると太陽光発電に特化しているようです。

 日本は中近東やアメリカ西部のようには晴天が続きません。太陽光発電には不向きな国だと思います。幸い雨が多いので山間地は水流が活用できるはずだし、海岸部は風が強いので風力が使えるはずです。マイクロパワープランドは、太陽光+水力、太陽光+風力などその地域に合わせて自然の力を総合的に使うようになるはずです。

 今は再生エネルギーと言うとすぐに売電の話が出てきます。売電するためには送電ネットワークが必要です。この話はネットワークを作るのが難しい「ポツンと一軒家」にも住み続けることができる未来を想定しています。

 蓄電技術が成功のカギ。

 再生エネルギーは、それこそお天気次第なので、供給が安定しません。安価で効率的な蓄電技術が必要。全固体電池などブレイクスルーの芽は出てきています。

 やってみないとわからないこと。

 設備維持の労力は? 簡単なトラブルであれば各自で対応できることが望ましい。

太陽光:砂埃、積雪など

風車:台風など強風時の対応

水車:流木やゴミなどの除去

 個別の家庭や農場はどの程度の電力が必要で、どのくらいの設備が必要か?

 今 新事業を立ち上げるのはちょっと早すぎるかな。

 大規模発電ー送電ネットワークはいずれ行き詰ります。しかし、今は誰の頭の片隅にもそんな発想はありません。また、今は送電ネットワークが機能しているのでマイクロパワープラントの必要性も小さいでしょう。まずは人里離れた道路の照明あたりから使い始めるのでしょうか。

 

 私には機械の知識が無いので、専門家の意見を聞きたいところです。工業高校や工専の自由研究にはもってこいのテーマだと思うのですが。もう始めているところがあるかな?