第21回 なんとか越冬した暖地植物

 猛暑が続いておりますが、今回は季節外れに植物の耐寒性の話です。

 この場所は関東エリアで柑橘類は北限です。ミカンは枯れることはありませんが、屋外ではおいしいものはできません。そんなところにもともと暖かい地方で生育する植物をダメモトで植えたら生き残るものがありました。特に昨年の冬は寒かったので若干心配しましたが、たくましく育っています。

 ニオイバンマツリ

 「バンマツリ」とはジャスミンの和名だそうです。(ただし、ニオイバンマツリはナス科なので分類上ジャスミンの仲間ではありません。)ジャスミンと言えば香りの強い花の代表ですが。それに「ニオイ」を付けて香りを強調しています。それくらい強い香りを放ちます。この樹はもう5年以上屋外に放置しています。「育て方」の情報では鉢植えにして霜に当てないようにと注意されています。しかし、この樹は霜どころか雪も経験しています。本来は常緑樹のはずですが、ここでは冬に落葉します。それでも再生して夏にはたくさん花を咲かせます。東京近辺ならば庭植え可能と思います。

 もっとポピュラーになっても良い木だと思います。しかし、名前が覚えにくい。

 

 サネカズラ

 種から育てて3年目になります。昨年から実をつけ始めています。今日は蕾を見ました。

 西日本の山野に生息するつる性の灌木で珍しい植物ではありません。四国にお遍路に行った時に種を取ってきました。東海以北では見たことがありませんので寒さに強い方ではないと思います。真冬にはだいぶ弱ります。この樹はまだ雪を経験しておらず、雪が積もったらどうなるかわかりません。

 お遍路の途中でこの植物を生垣に仕立てている家を見たことがあります。生育の早い植物なので頻繁に刈り込むなど手間がかかる作業が必要と思います。

 

 アボカド

 種が大きいので、土に埋めてみた方はたくさんおられると思います。

 多分霜に当たれば枯れるだろうと思って埋めてみたのですが、予想外に生き残りました。(種の栄養で持ちこたえた可能性があるので、2年目はどうなるかわかりません。)本来は20mを越える大木になるそうですので、もし生き残った場合はそうなる前に引っこ抜かなければなりません。関東で生き残るのであれば西南暖地のミカン畑の隅っこにでも植えてみたら育つのではないでしょうか。日本産のレモンが地域特産になっています。日本産アボカドも面白いかもしれない。今年はアオバハゴロモが大量発生して、このアボカドにもついています。これ以外には今のところ害虫は無さそうです。

 

 サボテン

 もう10年以上屋外に放置しており、2-3年ごとに大きな鉢に植え替えるだけで水やりもしていません。それでも花を咲かせてくれます。

 奥にあるウチワサボテンは霜に当たると若い芽を枯らしますが、また再生してきます。このサボテンは生育が早くて大木になります。大木の一部を移植して大木そのものは処分する作業を2~3年おきにやっています。黄色い花をたくさんつけるので大事にしています。

 サボテンと言えばトゲです。特にウチワサボテンのトゲは凄まじく、軍手・ゴム手を付けていても直接触れません。太いトゲの周りに目に見えないほど小さなトゲがあり、これが皮膚に刺さって抜けません。虫眼鏡と毛抜きが必要です。小さい子供のいる家などには持ち込まない方がいいでしょう。

 

 こんな感じで我が家はジャングル化していきます。