我家の謎のならわし/雑煮に餅ではなくヤツガシラを入れる

 我家では元旦の朝の雑煮に餅を入れずヤツガシラを入れます。その理由は伝承されていません。これまで私は同じような風習を持つ人に一度も出会ったことがありません。

  年末の私の仕事はヤツガシラの買い出しです。割らずに一人で一個食べるので小さめのイモを選ばなければなりません。そして大みそかの午後にヤツガシラの泥を落とし皮をむきます。出来るだけ割らないようにします。だいぶ小さくなります。

 我家の先祖は鹿児島から出てきています。鹿児島へ旅行した時に県立博物館の学芸員に質問しましたが、鹿児島では聞いたことがないと言われました。民俗学では「餅無し正月」と言って何らかの理由で餅が禁忌とされた集落や家族が各地に散在することが知られています。我家の場合は餅が禁忌ではありません。元日の朝は餅ではなくヤツガシラを食べるだけで餅を食べてはいけないとは言われていません。料理法は伝承されておらず代々の奥方が工夫して来たようです。写真は我家のヤツガシラ雑煮です。みそ仕立てで香りづけにミツバを入れています。

 この風習の由来について私が考えた仮説は4つ。

① ご先祖がとても貧乏で餅が食べられなかった。

② ご先祖がタロイモを主食とする南方からの渡来人だった。

③ ご先祖が縄文時代の風習を守ってきた。

④ ご先祖がイモが好きだった。

 無形文化財のようなものなのでできるだけ子孫に伝えて行こうと思っています。どなたか元旦の雑煮に餅ではなくヤツガシラを入れている方がおられましたらコメントください。

  この写真は本日(1月1日)の初日の出です。大勢の人が早起きしています。本年も良い年でありますように。