番外:驚愕! ローリングストーンズは80歳過ぎても全く懲りていなかった。

 ローリングストーンズの新CD「Hackney Diamonds」(古ぼけたダイヤという意味らしい)を聞いて驚いた。ドラムのチャーリーが亡くなり、3人になったストーンズのポスターを見て、多少センチメンタルな音楽になるのではないかと予想(期待)していたが、全く裏切られた。彼らは全く懲りていなかった。むしろ前回のCD「Bigger Bang」よりひどくなっていた。より小細工が無くなり、ドラムをたたき、ギターをかき鳴らし、ブルースにこだわり、このストレートさは感動的だった。80歳のミックが昔と同じように歌えることは驚異である。最後にミックとキースの2人だけでブルースをやっているところがちょっとだけセンチメンタルになるかもしれない。

 ローリングストーンズの音楽はmusicと言うよりもperformanceという表現がピッタリすると思う。一期一会の2度と帰らない時間の中で彼らは音を出している。だから彼らは続けられるのだと思う。

 一方 81歳のポールマッカートニーが古い音源を探し出してAI加工して世に出した「Now and then」は、お涙頂戴の極致であり、私も見事に引っかかって不覚にもウルウルしてしまった。You TubeでMVを見られることをお勧めする。まだ生存しているポールとリンゴが老人になっているまわりを今は亡きジョンとジョージが若い姿でふざけまわる。これまで何とかやってこれたのは、みんな君のおかげ。時々(now and then) 君がなつかしい、という歌詞がジワッと来る。デビュー当時のビートルズが演奏後に最敬礼するところで終わる。これが泣かせどころである。

 ミックもポールも素晴らしい年の取り方をしている。ただし、何億も稼いでいる彼らと自分を比べるのは無理なのであるが。

(写真はポールマッカートニーとローリングストーンズ)