第57回 晩秋の塩尻にて

 塩尻に義母が所有する土地があり、そこの管理を30年以上やっています。市街化調整区域なので家は建てられません。そこで木や草を植えています。今年最後の作業に行ってきました。梅、バラなどにマシン油乳剤の休眠期散布。除草剤ラウンドアップで多年生雑草の防除。これで来春 4~5月の作業が楽になります。

 桑の木の根元や枝に天幕を張った虫がいました。

 天幕を破るとケムシがびっしり。クワゴマダラメイガです。天幕の中で幼虫が集団で越冬するそうです。桑だけを食べるなら放置するつもりでしたが、桜や梅など広範囲に食害するそうなので残念ながら殺虫剤処理しました。

 これはマイマイガの卵塊です。細かい毛の中に卵があり、これで越冬します。これも増えたら困るのですり落としました。

 蝶や鳥がくるように花も実もある植物を植えることが基本方針です。しかし、毛虫はダメというのは人間の勝手です。

 30年以上前から樹木を植え始めたので樹が巨大化しています。これはユリノキ。上野の国立博物館の玄関前の巨木から種を拾って育てた由緒正しい樹です。非常に成長が早く5~6年でもはや手に負えなくなりました。花が大量の蜜を出すので蜜源植物と言われています。しかし、まだ花は咲きません。

 樹を植える時は2.5m以上の間隔を開けることを基本にしています。しかし、それでは全然足りないことを最近思い知らされています。もう植える所がありません。それどころか頭上の電線に接触し始めています。

 この桑の木は私が植えたものです。さきほどクワゴマダラメイガが天幕を張っていたのはこの樹です。ここまで大きくなることは想定外でした。

 この松の木は私が管理を始めるはるか以前に植えられたものです。斜めに伸びていますがだんだん傾きが大きくなっているような気がします。中部電力に相談したところ倒れるようには見えないので大丈夫ですとの返答でした。それでもちょっと心配です。

 樹を植える時は前後左右だけでなく、頭上も見なければなりません。本当にもう植える場所が無くなってきた。