第19回 ミツバチが集まる植物と無視する植物。彼らの好みは微妙です。

 今 7月上旬 我が家の金柑の花が満開です。晴れた日には蜜蜂がたくさん来て樹全体がブンブンと騒音を立てています。

 我が家にはシオンやアガパンサスが咲いていますが、金柑のすぐそばなのにそちらにはほとんど蜂が寄り付きません。

 ちなみにこの金柑の木にはアゲハチョウの幼虫がたくさんつきます。しかし、ほとんど鳥に食べられて成虫になるものは極僅かです。ほとんどはクロアゲハになるようです。また、果実はヒヨドリの餌になります。

 下の写真は先月撮ったものです。キンシバイ(金糸梅)と言う植物で、これにも蜂がたくさん来ます。ところがこれと近縁種のヒペリカムには、すぐ近くに植えてあるのに、ほとんど蜂がいません。黄色の花に集まるというような単純なことではありません。

 蜜蜂は手当たり次第に花を訪問しているのではなさそうです。視覚か嗅覚かわかりませんが、蜜や花粉のある植物をあらかじめ狙ってきているようです。

 下の写真は春のハナダイコン、ナノハナ(実は小松菜です)それにグミの木です。これらにも蜜蜂が来ます。ハナダイコンに蜜蜂が来ているように青紫が嫌いということでもありません。

 近年 ミツバチの減少が問題視されています。すぐに農薬が悪者にされますが、蜜源植物の減少が主因であるとの説が有力になっています。もちろん花が咲いている時期にその花に殺虫剤を散布するのは論外で、農薬の使い方は慎重でなければなりません。と言っても蜂の好みは微妙で花さえ咲かせれば良いというものではなさそうです。少しでも蜜蜂が好む植物を増やしたいと微力ながらせっせと植えております。

 以前 蜜蜂を研究されている玉川大学の先生の講演を聞いたことがあります。蜜源植物の減少の話もその時聞きました。雑草のヤブカラシが蜜源として優秀だとお話しされていました。しかしながら、ヤブカラシは辛いのではなく、巻き付いて樹を枯らしてしまうのでこの名前があります。地下部が大きく、地上部を刈取ってもすぐ再生してきます。最強・最悪の雑草で我が家には絶対に持ち込みたくありません。人間の勝手と蜂の好みと折り合いをつけなければなりません。