第17回 カミキリムシの来襲

 エゴノキとカミキリムシ 

 近所に街路樹としてエゴノキを使っているところがあります。5月中旬頃 風鈴のような白い花をたくさんつけます。鈴のような実も可愛いし、見栄えは大変よろしい。写真は街路樹に使われているエゴノキの花です。ややピンク色で園芸種を思われます。

 ところが植樹して5年くらいたった頃から次々と枯れて、今は半分くらいしか残っていません。エゴノキは小豆大の種を大量につけます。例によってこれら街路樹から種を取って蒔いてみました。発芽率は良好で生育も早く、10年くらいで3m以上の立派な木になりました。ところが昨年突然枯死しました。やむを得ず切り倒したところ案の定カミキリムシが侵入していました。

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 書物にはエゴノキはカミキリムシに弱いと書いてあります。街路樹の枯死もおそらくカミキリムシが原因でしょう。

 エゴノキは種子をたくさん作ります。発芽率も高く、繁殖力が強いと考えられます。しかし、こんなに害虫に弱いのでは長生きはできないでしょう。寿命の短さを繁殖力の強さでカバーして種を保存してきた植物なのかもしれません。

 

 樹皮を食う害虫 コウモリガ

 数種の樹木が枯れたり枝が折れました。明らかに何か害虫が食った痕跡がありますが、虫そのものは見つかりません。

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 かなり広い範囲の樹種が食害されました。

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 害虫はコウモリガではないかと推測しています。成虫は飛びながら卵をばらまくそうです。幼齢幼虫は主にヨモギなど広範囲の雑草を食べ、成長すると木に登って樹皮を食べ、さらに樹幹に侵入するそうです。繁殖は4~6月。対策は木の周りの雑草を除去することだそうです。幼虫は10m程度は動くそうなので、かなり広範囲の雑草を取らなければなりません。できるだけやりますが、事実上無理です。樹幹と樹の周りに限定的に殺虫剤を使うつもりでいます。

 欧州ではコウモリガによって樹林が壊滅することもあるそうです。樹皮・樹幹は樹木の急所ですので、ここをやられると枯死することもあると思います。

 

 飛来する重戦車 コガネムシの成虫

 上記のカミキリムシやコウモリガほど被害は大きくありませんが、コガネムシの成虫は今のところ対策がありません。写真はツバキです。昨年の夏にコガネムシ成虫に若葉を食べられて穴だらけになっています。

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 コガネムシの成虫は言わば重戦車のようなもので殺虫剤の直撃を受けないと落ちません。1日中飛来し飛び去って行きます。それをずっと見張るわけにはいきませんので対策は事実上ありません。この食害で木が枯れることは無いので放置しています。

 我が家の庭は仕方ないで済みますが、名園・名所はどうしているのでしょうか。